メニエール病の検査

メニエール病の症状に代表されるめまいですが、めまいといっても様々な原因があり、メニエール病だけに現れる症状ではありません。
そのため、どうしてめまいが起こっているのかを調べる必要があります。

メニエール病でかかるべき医療機関は耳鼻科ですが、めまいそのものの原因を調べるには、脳神経外科、神経内科や内科など、様々な原因を想定して調べなければいけません。
メニエール症候群という言葉がある通り、めまいがするからといって、全てメニエール病ではないからです。

めまい外来

めまい外来

上記した通り、めまいの原因を探るには、様々な可能性を前提として診察しなければいけません。
できればめまい外来の看板を掲げている病院がいいでしょう。

耳鼻科でもめまいを専門として診察しているところもありますので、メニエール病を疑うのであれば、めまい全般を診断できる、めまい外来の診察を受けるべきです。

メニエール病の診断基準

メニエール病以外でもめまいの起こる原因は山ほどあります。ですからまず、めまいや難聴の起こる原因が他の病気ではないという検査をしなければいけません。
めまいの原因となる脳や内臓の病気が見つからなければ、そこではじめてメニエール病の疑いがあるとされるのです。
多くは、メニエール病の疑いがあるとして、薬で経過観察になり、リンパ水腫の確認までするのはあまりないようです。

1. 回転性めまいの発作を繰り返していること
  • めまいは一般的にこれといった誘因がなく起こり、吐き気・嘔吐を伴い、数分から数時間持続する。
  • 発作のめまいは、回転性ではないこともある。
  • めまいの発作中に目振が起こることが多い
  • 繰り返しめまい発作を起こさない初回発作では、めまいと同時に起こる突発性難聴と十分に調べて区別しなければいけない。
2. 耳鳴りや難聴などの蝸牛症状が繰り返されたり、衰えたり盛んになる
  • 耳鳴り、難聴と同時にめまい発作を起こすことが多い。
  • 耳の閉塞感や大きな音に過敏になる。
  • 聴力検査において、中・低音部や音の大きさに対して聞こえが悪い場合がある。
  • 通常片耳に起こるが、稀に両耳にも起こることもある。
3. 1、2のときに起こる中枢神経の疾患、原因の分かっているめまい、難聴を主な訴えとする疾患が除外できる。
  • ※確実な例→1,2,3全ての条件を満たす
  • ※疑いとする例→1、3または2、3の条件を満たす

条件を満たさないメニエール病

メニエール病は治らない?

ここまで紹介したのが、条件を満たす典型的なメニエール病の診断基準になります。
先のページで紹介したように、一般的なメニエール病以外にも種類がいくつかあります。
条件を満たさないメニエール病として、『蝸牛型メニエール病』『前庭型メニエール病』『両側性メニエール病』などがあります。

どれも典型的なメニエール病に移行する可能性を持ち、特に蝸牛型メニエール病ではその確率が高くなります。
両側性メニエール病では高齢になってから発症した人や、メニエール病になってからの期間が長い人ほど多く、進行がとても早いのが特徴です。

検査内容

メニエール病の検査はCTやMRIを使っても分かりません。平衡感覚や聴力など、簡単な検査の他に、点滴を用いて行なう検査もあります。

立ち直り検査

両足での直立検査、片足での直立検査、マン検査とあります。
マン検査は足を前後に出し、かかととつま先をくっつけて立って行なう検査です。
目を開けた状態と閉じた状態で行い、内耳が悪いと目を閉じているときにふらつき、脳に原因があるときは開けても閉じてもふらつきます。

足踏み検査

50歩以上足踏みして行なう検査です。
内耳が悪い場合、悪い方の耳にだんだん曲がっていきます。脳に原因がある場合は前後や左右にふらつきます。

重心検査

30秒以上、重心やふらつきを測る体重計のような装置の上に立ちます。
これでふらつき度合いを数字で見ることができます。

目振検査

目の前でペンなどを目で追い、目振の様子をみるものです。

頭位目振検査

頭を動かしたときの目振の様子をフレンチェル眼鏡というものを使って観察します。
医師から患者の目の動きがよく分かるようになっています。

温度目振検査

ベッドに横になり、耳に温風を当てる検査です。
前庭機能が正常だと数分間、回転性めまいが起こります。
前庭機能が下がっている場合はめまいが起こりません。

グリセロール検査

グリセロールは利尿作用があります。
点滴によって体内にいれ、内リンパ水腫があると、検査の前後で聴力が変ります。

聴力検査

健康診断で行なった経験のある人も多いでしょう。
耳に装置をあて、音が聞こえたらボタンを押して、どの音域でちゃんと音が聞こえているかを検査するものです。