メニエール病とは

メニエール病とはどんな病気なのでしょうか。
自分の周囲にも何人かメニエール病と診断されている人がいますが、自覚症状のない人、症状がとても軽い人、めまいがひどくて立っていることも横になっていることもできない人など様々な症状を目の当たりにしてきました。
これは一体どんな病気なのでしょうか。

メニエール病の原因

メニエール病の特徴として、内耳からくる回転性のめまいや吐き気が起こります。
これが発作として繰り返す病気なのです。
直接の原因は、内耳が内リンパ水腫を起こし、内圧があがるからです。しかし、なぜ内リンパ水腫を起こすのかというと、その根本的な原因は分かっていません。

アレルギーや血流不全、ウィルス、免疫の低下、ストレスなど、様々なケースが言われていますが、ハッキリとしたことは分からないのです。
ストレスの観点からすると、内耳が元々弱いところにストレスが加わり、メニエール病が発症するのではないかと考えられています。

また、未開発の国に少ない病気なので、ストレスが大きく関わっているのではないかと言われています。
働き盛りの30~50代の男性がかかりやすいのも、ストレスが原因ではないかと言われることになっているのではないでしょうか。
機構の変化や季節の変わり目、低気圧や前線の接近などで発作が起こりやすいことが分かっています。

メニエールに似た病気

メニエール病に似た病気として、突発性難聴、外リンパろう、聴神経腫瘍、前庭神経炎、遅発性内リンパ水腫などが挙げられます。
いずれもめまいを起こす病気ですが、メニエール病とは別物になります。
めまいは脳障害でも起こりますので、自己判断せずに病院でなんの病気なのか適切に診断してもらう必要があります。

遅発性内リンパ水腫

元々高度感音難聴があり、かなりの年月を経て回転性のめまいを起こすようになる病気です。
元からある高度感音難聴が原因のめまいと、難聴の耳とは反対の耳に難聴をきたす場合があります。

前庭神経炎

片側の前庭機能に障害が生じ、突然激しい回転性のめまいを起こし、それが長時間続きます。
発作の前には風邪の症状が見られるのが多いことから、ウィルスが原因ではないかと言われています。

メニエール症候群

メニエール病とメニエール症候群は、別なものとして捉えられています。
メニエール病は内耳のリンパ水腫が原因で起こることに対し、メニエール症候群は、原因が全く不明で、メニエール病のようなめまいなどの症状を繰り返す状態のことを言います。
診断名としてはほとんど使われることはありませんが、メニエール病のようなめまいのある病気として区別されています。

メニエール病に似ためまいが起こる病気の総称で、上に挙げた前庭神経炎などのように様々なものがあります。
自律神が乱れたり、頚椎に歪みが生じたとき、肩こりなどでもめまいは起こりますので、こうした体質的なものもメニエール症候群と呼ばれます。
病院で『メニエール症候群』と言われないわけは、こうした繰り返し回転性のめまいを起こす状況のことを言うからなのです。
要は病名ではないということです。

内耳とは

内耳は耳の奥にある聴覚を司る器官、蝸牛と、バランスを司る前庭から成り立っています。
前庭は私たちのよく知る三半規管、それから卵形嚢、球形嚢からなります。
とても軟らかい器官です。
蝸牛にはリンパ液が入っていて、振動で揺れたリンパ液の動きを有毛細胞が電気信号として蝸牛神経に伝え、更にそこから大脳へと伝えられます。
大脳の聴覚を司る部分が送られた信号を処理し、音が聞こえたと判断します。
卵形嚢と球形嚢は遠心力、重力、直線条項の動きを感知する場所で、三半規管は回転性の動きを感知します。