メニエール病になったら

メニエール病と診断されても、まだ詳しくどんな病気か分からない人もいるでしょう。
メニエール病は進行性の病気ですので、誰もが同じ症状ではありません。
どのようにして経過していくのか、発作がおきたらどう対処していけばいいのか、悩んでしまう人も多いでしょう。

メニエール病の経過

メニエール病の経過

メニエール病の病態は、いつも同じではありません。病気の経過は第3期まで分けることができます。
どのように経過していくのか見て行きましょう。

初期

病気の経過の仕方は人それぞれで、『絶対こうである』というのはないのですが、多くの場合はめまいから起こるのではなく、耳の閉塞感や低音性難聴、耳鳴りから始まります。
始めはこれらの症状が出たりおさまったりしていますが、何度も繰り返し起こしているうちに、めまいの発作を起こすようになります。
中には、いきなり激しいめまい発作を起こし、一気に難聴になってしまうケースもあります。

活動期

メニエール病は活動期と呼ばれる、めまいなどの発作を繰り返す時期と、安定した状態が続く間歇期があります。
活動期のメニエール病は、毎日発作があるケース、毎月あるケース、数ヶ月単位で発作が起こるケースと人それぞれです。
多くの場合、活動期は2~3ヶ月になります。長いと1年ほど続く場合がありますが、その後は季節の変わり目など、数ヶ月に1度の間欠的にめまい発作が起こる、間歇期に入ります。

慢性期

活動期と安定期を繰り返していると、蝸牛が司っている聞こえの機能が悪化していくと言われています。
その反面、前庭機能はある程度の機能が低下すると、めまいの発作が起きなくなるか、起きても軽くなります。
前庭機能が低下しても、中枢部分がそれを補うようになりますが、蝸牛の機能が低下しても補う器官がありません。

そのため、慢性期のメニエール病では、難聴や耳鳴りが一番の問題になっています。もちろんこれにも個人差がありますが、例えめまいの発作が起こらなくなっていても、激しい発作がトラウマになっていて、外出がこわくなったりするようです。

発作が起きたら

メニエール病の発作が起こったら、動き回っては危険ですのでとにかく安静にしてめまいが落ち着くのを待つしかありません。
抗めまい剤、吐き気止め、安定剤などの頓服を処方されているのであれば、すぐに飲むようにしましょう。異常が出ている側を上にして、頭を動かさないようにして静かな場所で休みましょう。
できれば音や光などの刺激は避け、暗い部屋が望ましいです。
目を冷やすのも効果的です。

発作に驚いて救急車を呼ぶ人もいるようですが、病院でメニエール病だと診断されているのであれば、救急車で搬送されるときの揺れが刺激となって、発作にはよくありません。安静にしていたほうがいいでしょう。
反対に、メニエール病の発作のようでも確たる診断を受けていない場合、もしかしたら脳に関係する障害かもしれませんので、この場合は救急車を呼んだ方がいいでしょう。

メニエール病は治らない?

メニエール病は治らない?

メニエール病は難病なので治らない…そう耳にしたことはありませんか? 確かにメニエール病になると、その症状である難聴や耳鳴りは治らないと言われてきました。それはどうしてなのでしょうか。
答えは簡単です。めまいを得意としている医者が少ないということです。
めまい外来などを行なっている耳鼻科ならまだしも、メニエール病以外でもめまいのする病気は山ほどあります。
一般内科などを受診しても、メニエール病は治らないでしょう。

それ以前に、めまい外来以外で、メニエール病だと確定できる医師も少ないと思われます。
メニエール病は治る病気です。
諦めず、めまいを得意とする医師と出会えるか出会えないかではないでしょうか。
また、残念ながら治らないケースもあります。
それは慢性化してしまった場合です。こうならないうちに、早期に治療に取り掛からなければいけません。